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新着情報 & お知らせ

【女性部】松筑支部女性部会 活動報告 (国宝 旧開智学校校舎耐震対策工事 現場見学会)
2023-08-23
松筑支部女性部会は 8月23日 に 「 国宝 旧開智学校校舎 耐震対策工事 」現場見学会を実施しました。
文化財校舎の保護と活用の安全性を高めるため、令和3年6月から令和6年9月末(完了予定)まで耐震対策工事を行っています。
松筑支部会員のハシバテクノス株式会社様施工されている関係で、見学会が実現しました。
まずは、ふじ棚休憩所にて学芸員の遠藤様より校舎の歴史や耐震対策工事の概要をご説明いただきました。
教場
全体的に床補強と壁補強は終わっていましたが、補強中の天井を見ることができました。
教室はとても狭く感じました。当時、40人の生徒が入る想定で作られたそうです。


各所に焼印「令和四年度補修」が押されています。
次回の補修は30~50年後となりますので、将来どのような新しい工法で修復が行われるのでしょうか。
外壁の漆喰修理
外壁の漆喰修理です。
文化財の修理はもともと使用されていた材料をなるべく再利用する必要があり、修理のために剝がした漆喰は大切に保管し、新しいものと混ぜて使うそうです。
完成した漆喰は遠くからみるとレンガが積まれているように見えます。色合いも建設された当時の雰囲気が表現されています。

2階 講堂
右の写真は2階の講堂から見た車寄せとバルコニー(風)です。
『ふう』なので、実際には講堂からに外へ出る事はできません。
西洋建築を真似て設計されましたが、その当時はバルコニーの本来の用途が分かっていなかったようです。
塔屋
塔屋補強現場です。特に耐震性能が低い場所です。
6~7人が入れるくらいのスペースです。
現場見学当日は快晴、よりステンドグラスが綺麗でした。
耐震の問題もあり今までは一般公開していなかった場所との事。
貴重な体験です。
2階 小屋裏
小屋裏は狭いため、2班(各8名)に分かれ、現場代理人の松崎様と笠井様にご案内いただきました。
小屋裏補強工事では、もともとの柱を傷つけないよう、鉄筋ブレースなどの補強材をミリ単位で微調整し慎重に設置しているそうです。
風が通らない小屋裏は蒸し暑く大型扇風機がフル稼働していました。
保管庫
保管庫では、取り外した扉から釘1本まで番号を付けて保管しています。
漆喰塗り直し施工法(写真)はモデルを作成し最善の施工法について何度も検討を重ねたそうです。
熱心に説明を聞いている、Kさん。(写真)
「建築現場をみるのは初めて。昔ながらの工法が繊細でビックリした。」と目をキラキラさせながら話してくれました。
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現場見学の後は、松本中央図書館の視聴覚室にて座学「旧開智学校校舎に込められた想い」と題し、学芸員の遠藤様にお話しいただきました。
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酷暑の中ではありましたが、貴重なお話が聞け有意義な現場見学会となりました。
最後に、旧開智学校学芸員の遠藤様、ハシバテクノス株式会社の松崎様・笠井様 ありがとうございました。
耐震工事が終わりましたら、完成した旧開智学校の見学に伺いたいと思います。